心理師だって難しい…人間関係の悩み

大学の心理学科に入学した最初のオリエンテーションで。
心理学科の教授がズラリと並んで挨拶される中、
今でも印象に残っているある教授のお話がありました。

大学で法律を勉強すれば法律に詳しくなるし、
語学を勉強すればその言葉で話したり読んだりできるようになる。
ところが心理学を勉強して人の心について学んでも、
人間関係がうまくやれるようになるわけじゃない。
その証拠に
心理学科の先生たちの人間関係だっていろいろあるしね……

そんなこと言っちゃっていいの?
と思ったのですが、
そんなことが言える懐の深さ、正直さ、
とっても人間味があっていい先生だなあ~と思いました。

遠い昔の記憶なので、
そのあとのお話はよく覚えていないし、
細かい部分は正確ではないかもしれませんが、
だいたいそんな内容。

大学で心理学を学び、さらに大学院でも研鑽を積んでいるはずの、
心の専門家と言われる臨床心理士や公認心理師。

だからといって、みんな人間関係がうまくやれているわけではありません。
苦手な相手もいるし、
衝突することもあるし、
コミュニケーションに悩んだり、
日々自分の問題にも直面するもの。

臨床心理士や公認心理師だって、
人間関係の悩みはたくさんあります。
でも、それに向き合っていくことが大切だなと思います。

少なくとも、
人の心について知れば知るほど、
簡単に他人をわかることはできないこと、
人と人との関係は難しいものだということを知っています。
だから、ひとつひとつの場面で、
ていねいに向き合っていくことを大切にしているかもしれません。

学んだ知識やスキルがあっても、
人はひとりひとり違うので、
やはり人間関係は難しいのです。
知識とスキルで、人の心がわかった! と
思ってしまうことの方が危険かもしれません。

ひとりひとり
育った環境やそれまでの経験も違えば、
感じ方や考え方のパターンも違うのは当たり前。
違うことを受け入れて、
折り合いをつけていくのが人間関係ですが、
単に相手のことを理解すればうまくいくわけではありません。

大事なのは本当はまず自分のことがわかること。
自分のことがわかって、
自分の軸がちゃんとあると、
実は相手との距離がうまくとれるようになります。

人との距離感というとき、
たとえば、本棚の幅をメジャーで測りたいと思ったら、
まず一方の端にメジャーのゼロの数字を合わせて手で押さえますよね。
出発点のゼロがはっきりして、
はじめて長さは測れます。

人間関係の距離感も
私の中の軸のゼロ地点がちゃんとあってこそ、
相手との距離を適切にとれるのです。

自分の中心、ゼロ地点というのは、
意外に自分でもわかっていないもの。
カウンセリングではそれを一緒に見つけていくことで、
人間関係が今より楽になれるかもしれません。

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
とアドラーという心理学者が言っていますが、
人とのかかわりがなければ、
ほとんどの悩みはなくなってしまうかもしれないくらい、
人間関係って悩みがつきないですよね…

それにはまず、
自分についてより知っていくことが、
誰もが抱える対人関係の問題を解決していく
大きなヒントとなることは間違いありません。

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